桃源郷

境界性パーソナリティ障害 愛着障害 うつ病 精神疾患と向き合うブログです。

過去を巡る 〜小学六年生①〜

兄は県外の私立中学に進学しました。

 

ある時、兄にこんな話をされました。
俺は私立中学に行ったおかげで小学校の友達と離ればなれになった。それで小6の時に好きだった女の子に思いを告げることが出来なかった。その事を今とても後悔している。お前は好きな子には必ず気持ちを伝えろ。じゃないときっと後悔する。

 

この話を聞き、好きな相手には中途半端な表現ではなく、きちんと言葉で気持ちを伝えることが大事だと思いました。そしてそれは何歳になっても必要なことだと今思っています。

 

自分は当時学校のクラスメイトのIさんに恋をしていました。体が小さくて元気で明るくてよく笑う子でした。Iさんのプリクラを勉強の合間に眺めて思いを馳せるようなこともありました。

 

そして6年生の夏か秋ぐらいに、Iさんに面と向かって好きだと伝えました。これが人生で初めての告白でした。
兄のアドバイスはここで活かされたということです。

 

その1ヶ月後か2ヶ月後かにはIさんからも好きと言ってもらえて、これまた人生初の両思いとなりました。

 

周りの友達も勘が鋭いもので、自分とIさんが両思いでいることはあっという間に噂となり広がっていきました。
冷やかす子、祝ってくれる子、何も言わず見守る子、嫉妬する子、関心のない子などリアクションは様々でした。

 

噂が広まってからは2人への注目度が高くなり、校内でIさんと仲良く接することが難しくなりましたので、2人の間でこっそりと文通を始めました。

 

相手が席にいない間に相手の机の引き出しの中に手紙を忍ばせる、というやり方で、何度もやり取りを重ねました。
手紙の内容は記憶にないですが、ラブレターみたいな内容になっていたはずです。
机の引き出しをそーっと開けてIさんからの手紙が入っていた時の嬉しさ、高揚感は何とも文字では表現しづらいものです。

 

うちの小学校では6年生になると植樹というイベントがありました。
大分県の山までバスで出かけ、木の苗を植えるという校外授業です。
苗を植えた後、その苗の傍に杭を打ちます。杭には自分の氏名とコメントを書くわけですが、その杭に誰にも見られないように「Iさんが好きだ」と油性マジックで書き足しておきました。

 

あれから23〜24年。
苗は木へと成長したことと思います。
あの杭は今でも地面に刺さっているでしょうか。まるでタイムカプセルのようです。いつかあの杭を見たい。そう思います。

 

こうして恋愛を経験したことで、親からではなく恋人からも愛情をもらえるということを知りました。

ただし、恋愛によって愛情をもらえるという学びは、やがて悪い活用をされるようになります。やはり恋愛より前に親からの愛情を受けて育つべきだと思っています。